太陽光発電は地域によって発電量に違いがあります
同じ日本でも、沖縄から北海道まで気象条件は大きく異なっています。太陽の力を利用する太陽光発電においても、当然地域差は出てきます。日光を利用するんだから、南の地域の方が発電量が多いんじゃない
の?と考えている方も多いようです。しかし、実は気温が寒い地域の方が発電効率は多くなります。気温が高いと、電気変換の際のロスが大きくなってしまうからです。
気温による損失
太陽光発電は、太陽の「光」のエネルギーを用います。太陽光による「熱」自体を電力に変えるわけではありません。暖かい方が発電量が多いというのは、大きな誤解です。
実は、効率よく発電をするには、温度が低い方が好ましいのです。同じ地域でも、夏と冬の発電効率を比べると、冬の方が効率よく発電できます。温度によって生まれる変換ロスのことを、「太陽電池損失」と呼びます。
具体的には…
- 冬(12〜2月):5〜10%の損失
- 春・秋(3〜5・9〜11月):8〜15%の損失
- 夏:(6〜8月):11〜20%の損失
※損失率は、パネルの性能によって大きな差が出ます。
このことからも分かるように、気温が寒い所の方が発電効率はよくなります。
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北の方が発電量が多いとは限らない
さっきと言っていることが違うじゃないか?と思った方もいるでしょう。確かに、寒い地域の方が発電の効率は良くなります。しかし、肝心の太陽光が出ていなければ発電は行えません。地域によって日照量には大きな差があります。
この関係で、地域ごとの発電量はバラバラになってしまっています。参考までに、東芝の4.8kwシステム(240Wモジュール20枚使用)の場合の、各地域の年間発電量を紹介しましょう。
- 札幌:年間6000kWh
- 仙台:5800kWh
- 東京:5600kWh
- 名古屋:6100kWh
- 大阪:5800kWh
- 広島:6350kWh
- 福岡:5600kWh
どうでしょうか。地域によってかなりばらつきがみられることがお分かりいただけたでしょう。雪が多いイメージがある札幌でも、大阪・福岡などより発電量が多くなっています。名古屋や広島の発電量が多いのは、日照量が多い(晴れた日が多い)からです。
もちろん、東京に住んでるからといって必ず5600kWh発電できるとは限りません。地域・住宅の立地によって、日照量は変化してきます。どのメーカーのどの商品を選ぶかによっても発電量は大きく変わります。以上に示した数値はあくまで参考までにとどめておいてください。
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